ホラタローの晒しな日記

このタイトルめちゃくちゃいいなと思ったんですけどn番煎じでした。

家から締め出された話

※この記事は読まれる方によっては不快に感じかねない描写が含まれます。主にトイレ関係です。その旨をご了承の上、読んでいただければと思います。

 

タイトルの通り、実家から締め出された。

10/5 午後22時、外食を済ませた私は自宅へと帰ってきた。が、玄関の鍵が閉まっている。

まぁ慌てることではない、「いつものところ」にスペアキーがある。無いんだけど。

「まぁ、この時間なら誰か起きてるっしょ。」

LINEをしてみたものの誰も既読がつかない。そういえば全部屋消灯されているし、物音もない。

流石に田舎とはいえお眠が早すぎる、病院の消灯時間かよ。

この辺りで家に入れないことを確信した私は現実逃避のためコンビニへと向かった。24時間営業のコンビニエンスストアの光は、家から締め出された人間のことも、もう一つの実家のように平等に照らしてくれる。

何故か店員さんが友達を10人ぐらい呼んでおり、店内がホームパーティのような空気になっていたのでめちゃくちゃ気まずかった。全然アウェーじゃねえか。手早く飲み物とお菓子を買いそそくさとコンビニを出た。

冷静になった私は自宅付近の空き地に車を停め、戦利品を飲み食いした。自宅の敷地内に居るのに玄関に入れないのは悲しいからね。状況の非日常感にアドレナリンが出ており、全く寝付けなかったため、暇してる友人と通話しながら時間を潰すことにした(付き合ってくれた方々ありがとうございます)。

そうこうしている内に私の身に大変な事態が発生する。

 

「めちゃくちゃうんこしたい。」

 

唐突に強烈な便意に襲われたが、理由はなんとなく察しがついた。その日の私は気温を見誤り、半袖半ズボンであり、その上で冷たいカフェオレを飲んでいた。率直に言えばお腹を壊したのである。

幸い実家には屋外トイレがあった、家の中に入れずともトイレが設置されている田舎ハウスのデカさに心の底から感謝しながら、私は思う存分ブリブリした。やはり腹を壊していたが、最早そんなことは関係ない。トイレがあるのだ、したくなったら何度だって来てやるさ。

ある種勝利の余韻のようなものを味わいながら、私は水洗レバーを捻った。反応がない。

 

水が流れないのである。

 

今起きていることが俄には信じがたく、いや信じることを脳が拒絶しており、何度もレバーを捻る。しかし水は一滴たりとも流れず、静寂の中に「リリリリリ」と秋の訪れを告げる虫の音だけが鳴っていた。

ようやく事態が飲み込めてきた私は全てを諦め、事件現場をそのままにして車内へと戻った。すっかり身体が冷えていた。肝も冷えていた。

朝になり両親が事に気づいた時、私は自身の行いを正直に告白しなければならない。

「仕事を辞め無職となり実家の厄介になっている26歳の愚息は、今トイレにしたうんこをそのままにしています。」と。

あと数時間で必ず訪れる「その時」に怯えながら友人との雑談に戻った。狂いそうな気を紛らわすように明け方まで通話をした。

翌朝7時、車の窓をトントンと叩く音。出勤する父であった。「こんなところで何してるんだ」と訝しむ父に、私は抗議と謝罪の意味を込め、ことの詳細を話した。

家に入れなかったこと、お腹を壊したこと、うんこがまだそこにいること。

全てを聞いた父は困惑しながら「あそこのトイレは先月から使ってないので水を止めている」と私に教えてくれた。いや………

 

実家に帰ってきた時に教えろや!!!!!!!!

 

家族の私に対する興味の無さが、未然に防げたであろう今回の悲劇を起こしてしまった事に疑いの余地は無いだろう。

流石に哀れに思ったのか、若干怒りながらも(そもそも怒られる所以はないが)父は今回の件を水に流してくれた。できればトイレの方の水も流してほしい、切実に。

今この記事を書いている午前8時現在、私のうんこはまだ和式便所の中に鎮座している。昨晩から冷え込んでいるため、さぞ寒い思いをしていることだろう。

午後に水道業者の方が来てくれるというが、その時私が失うものはお金や時間では取り戻せないものだろう。因みにトイレのトラブルで他人に自分のうんこを見られるのは生涯これで2度目である。なんで26年で2回もあるんだよ。

長くなってしまったが以上が今回私の身に起きた悲劇の詳細である。読者諸兄も私の痴態を反面教師とし、「家の鍵は可能な限り持って外出すること」、「久しぶりに実家に帰った時は設備の変化について予め聞いておくこと」を是非教訓としていただきたい。

それが今回失われてしまった一つの尊厳に対する、せめてもの手向けとなるだろう。

あと身体が冷えてる時は暖かいものを飲みましょう。これは私が悪い。

これから気温の変化の激しい日が続くようだ、皆様もどうか体調には十分気をつけてお過ごしいただきたい。

それでは私は、少し寝ます。

おやすみなさい。

 

P.S. 寝こけてる間に私のうんこは綺麗さっぱり無くなっていた。もしかしたら、全て夢だったのかもしれませんね。

                ホラタロー